2024年モデル「SUNPEED ASTRO」実購入レビュー!
私は以前、自転車店へ勤めており、フランスメーカーで2010年モデル「LAPIERRE XELIUS700(SRAM FORCE組)」やスペインメーカーで2013年モデル「BH ULTRALIGHT(SHIMANO ULTEGRA Di2組)」などのいわゆるハイエンドロードバイクを所持していました。
ただ、生活の変化により惜しくも手放さざるを得なかったのですが、数年経った今、またロードバイクに乗りたい!と思うようになりました。
そこで今回は2024年モデル「SUNPEED ASTRO」を購入するに至った経緯と、実際に購入してわかったメリット・デメリットをお伝えできればと思ってます。
また、記事の最後に実際に開封した時の状態や、各細部の画像を掲載していますので、ぜひ最後までお読みください!
- この記事を書いた人
- 自転車店で7年勤務経験あり
- 実店舗・インターネット店舗での実務経験がある為、インターネット購入についても詳しい
- 過去にはラピエールのゼリウス(スラム フォース装備)やBHのウルトラライト(シマノ Di2装備)などのロードバイクの所有経験あり
2024年モデル「SUPEED ASTRO」を購入した理由
またロードバイクに乗りたくなった…
2020年初頭、ロードバイクにも乗る時間が極端に減少していて、生活の大きな変化もあって、家の居住部の多くを占有するロードバイクを手放しました。
しかし、2024年初夏、ある自転車系YouTuberの動画を見ていたら、すごく楽しそうにロードバイクに乗っている姿を見たとともに、時期的にジロ・デ・イタリアやツール・ド・フランスを見ていたら、あれよあれよと言う間にロードバイクが欲しくなり…。
でも、以前のような大金はかけられないので、コスパの良いロードバイクがないかと探しましたが、昨今の物価高騰により、メジャーメーカー品ではエントリーモデルすらも手が出しにくい価格となっており、驚愕しました…。
そこで調べていくと、今は中国メーカーが勢いがあり、コスパが非常に高いロードバイクを販売していることがわかりました。
そんな中で「SUNPEED ASTRO」に出会い、購入することとなるのですが、「SUNPEED ASTRO」に決めた経緯をお話していきます。
フレーム素材がアルミ
カーボンロードバイクを2台所持してきましたが、取り扱いに気を使い、気軽に乗るということができずませんでした。
結局ロングライドはあまりせず、毎日片道15km程度の通勤に使うことがほとんどでした…。
もちろんASTROも丁寧に扱いますが、アルミフレームなら取り扱いが粗くてもフレームが破損する恐れも少なく、気軽に乗車できると思いました。
ディスクブレーキ搭載車
以前所有していたロードバイクはリムブレーキ搭載車でしたが、特に大きな不満はありませんでした。
しかし、ここ数年でメインのブレーキシステムはディスクブレーキに取って代わられて、リムブレーキ搭載車は少なくなってきている状況です。
この流れを見ると、今後はほとんどがディスクブレーキメインでパーツが製造されると予想し、リムブレーキ搭載車だとカスタムの幅が狭くなると感じたため、ディスクブレーキ搭載車を選ぶのがいいと感じました。
一番の決め手は低価格でケーブルセミ内装フレーム
ハンドル・ステム付近とBB付近で一度ケーブル類が露出しているとはいえ、ほぼケーブル類は内装ではやりを抑えたフレームです。
フレーム素材がアルミでここまでケーブル類が内装されるフレームだと、メジャーメーカーロードバイクだと「SPECIALIZED Allez Sprint」や「TREK Émonda ALR」くらいです。
しかも上記の3車種はもちろんコンポなどの違いはあるので一概に比較はできないのですが、フレームだけで20万円程度、完成車だと30万円程度とかなり気合を入れないと買えない金額です。
それが「SUNPEED ASTRO」ならメインコンポがSHIMANO SORA搭載で10万円ちょっと、さらに到着した実物を見てみると溶接痕も上記2車種と比べても遜色ないくらいきれいでコスパ抜群だと感じました!
「SUNPEED ASTRO」のメリット
さてここからは「SUNPEED ASTRO」のメリットとデメリットを忖度なしに解説していきます!
価格
中国メーカーロードバイクの大きな魅力の一つでしょう。
昨今の物価高騰によりいろんなものの価格が上昇する中、SHIMANO SORAをメインコンポに据え、ケーブルセミ内装(ほぼフル内装)で10万円を少し超えるくらいとなると、調べた限りでは他にはありませんでした。
Yahoo!ショッピングで購入可
中国メーカーのロードバイクはアリエクスプレスなどの中国ショッピングサイトで、中国語や英語を介したやりとりが多く、購入をためらってはいませんか?
「SUNPEED ASTRO」なら日本国内大手ショッピングサイトの「Yahoo!ショッピング」でいつものショッピングアカウントで購入可能なので安心感があります!
SHIMANO STIレバー
中国メーカーのロードバイクには中国コンポメーカー「SENSAH」や「L-TWOO」などの中国メーカーコンポがアッセンブルされていることが多くあります。
対してASTROは最新の12速ではないものの、上位モデルから受け継いだSHIMANOのSTIレバーを装備し、快適なシフト操作が可能です。
中国コンポメーカーも高コスパで多段数なので悪くはなさそうですが、SHIMANO製なら正確な変速や、メンテナンス性やパーツ入手がしやすいのも安心材料の一つですね。
ディスクブレーキ
2024年現在、ロードバイクの上位モデルはディスクブレーキモデルがほとんどです。
価格が安くかったり、一部の軽量にこだわるライダーのためにリムブレーキモデルも残ってはいますが、ロードバイク業界の流れはディスクブレーキに大きく傾いている状況です。
今後はディスクブレーキが主流になると予想されるため、パーツの入手性も考えると、低価格でディスクブレーキ搭載車が手に入るのは嬉しいですよね!
円形シートポスト
低価格帯でもエアロフレームが流行るなか、シートポストも専用のエアロ形状シートポストがアッセンブルされるようになってきました。
エアロ形状シートポストは専用設計であることが多く、破損した際の入手性が悪いことが難点です。
しかし、ASTROは従来の27.2mm円形シートポストなので、パーツの入手がしやすく、カスタマイズの幅も広がります。
溶接がきれい!
低価格のアルミフレームロードバイクの場合、溶接跡が目立つ場合が多いですが、「SUNPEED ASTRO」は溶接跡が非常にきれいに処理されています。
詳細は不明なのですが、「TREK Émonda ALR」のような美しさです。
ケーブルセミ内装
このバイクのケーブルルーティングは、ステム下からヘッドチューブ、ダウンチューブを通ってBB付近で一度フレームの外に出るという、セミ内装ルーティングを採用しています。
その後、チェーンステー内を通って各コンポーネントへと接続されます。
フロントディレイラーワイヤーは、BB付近でフレームから出て、直接フロントディレイラーに接続されています。
一方、フロントブレーキワイヤーは、フロントフォーク内を通ってブレーキキャリパーに接続されています。
「SUNPEED ASTRO」のデメリット
注文から到着まで時間がかかる(2週間~1ヶ月半)
「SANPEED ASTRO」は、中国からの船便で輸送されるため、納期にはある程度の時間がかかります。
私の場合は、注文から約2週間で到着しました。
日本国内に代理店を持つメーカーのロードバイクであれば、国内倉庫から発送され、販売店で組み立て調整を行い、通常1週間程度で届きます。
乗車日が決まっている場合は、少なくとも1ヶ月前には注文しておくことをおすすめします。
調整が必要
このバイクは、工場出荷状態のいわゆる『7分組』の状態で届き、これは国内の自転車販売店へ届いた時の状態と同じになります。
そのため、販売店で行っているような初期不良の確認や、各パーツの調整、ネジの増し締めといった作業は、基本的に自分で行う必要があります。
自転車の整備に慣れていない方は、購入後に近くの自転車店で初期調整を依頼することをおすすめします。
私もハンドル・シートポスト・サドル・ホイールの取り付け、シフト、ブレーキの調整は自分で行ったのですが、ホイールの振れ取り台は所持していないので、自転車店へ持ち込み行ってもらいました。
最近では、サイクルベースあさひのような大手自転車チェーン店でも、有料で初期調整を行ってくれるサービスを提供しているところが増えています。
ステム交換のときにものを選ぶかも
「SUNPEED ASTRO」は、ケーブル類がステム下のコラムスペーサー部分からフレーム内に内装されています。
そのため、多くのバイクで共通の形状のステムが採用されるようになっていますが、ステム選びの幅は限られてしまう場合があります。
カーボンシートポストは使用しないほうがいいかも
これは私の実体験ですが、以前使用していたウッドマンのカーボンシートポストを取り付けようとしたところ、シートポスト固定金具の形状の都合上、一箇所に力がかかってしまうため、カーボン素材だとしっかり固定できず、破損させてしまいました…。
現在はアルミシートポストを使用していますが、それもシートポスト固定金具部分は傷がついてしまっている状態なので、シートポストの固定には気を使います。
「SUNPEED ASTRO」の実走レビュー
さてここからはいよいよ実際に「SUNPEED ASTRO」に乗った感想を書いていきたいと思います!
参考として私自身は学生時代野球をやっており、それなりにスポーツはしてきましたので、体力は人並み以上にあると思います。
また比較するロードバイクは過去に所持していた「LAPIERRE XELIUS700(SRAM FORCE組)」、「BH ULTRALIGHT(SHIMANO ULTEGRA Di2組)」とここまで記載はしていませんでしたが、硬いと言われたアルミフレームロードバイク「2008年モデル ANCHOR RA5」となります。
フレーム硬すぎず、柔らかすぎずちょうどいい
まず最初にペダルを踏んだとき体への反発が少ないと感じました。
これは「LAPIERRE XELIUS700」に乗っていた時の感覚と似ていて、私のペダルを踏む力だとフレームからの反発が少なく、むしろ加えた力がそのまま推進力につながっているなと感じました。
また、「SUNPEED ASTRO」は硬すぎないとは言ってもアルミフレームなので、カーボンフレームの「LAPIERRE XELIUS700」に比べると地面からの突き上げ振動は多いものの、5~60kmほど乗っていても、ロードバイクを漕いでいる以上の疲れは溜まりませんでした。
「BH ULTRALIGHT」と「ANCHOR RA5」に関してはフレームが硬すぎて、ペダルを踏むたびに体がフレームの硬さからくる反発でスムーズに漕ぐことができませんでした…。
「SUNPEED ASTRO」は初心者やロングライド志向の人におすすめのフレームの硬さだと思います!
坂はきついけど、平坦路はスムーズに巡航できる
メーカー発表の参考重量が9.6kgなのでそれなりに重いです。
先日、初心者向けの峠ということで関東では有名な国道20号線の大垂水峠を登ってきたのですが、残り500mくらいのところの一番傾斜がきつい部分で足着きしてしまいました…。
しかしこれに関してはロードバイクが久しぶりのエンジン(私の体)や付属のホイールを筆頭にしたパーツの重さにも由来します。
エンジンに関してはこれからたくさん乗車して鍛えるとして、パーツ類に関してはどのメーカーの低価格モデルロードバイクを購入すれば同等の重さのパーツが付属しているので、マイナス評価とはならないですね。
対して平坦路に関してはその重さを感じないくらい、巡航維持が楽でケイデンス90程度で30km/hの巡航が可能でした。
ホイールの重さによる慣性も効いているものと思いますが、違和感がなくロードバイクを前に進ませることができるということは、フレームの精度が高いことも関係しているのではと思われます。
下りでの安定感がある
大垂水峠を登ったあとはもちろん下りがあるわけですが、その下り道もメジャーメーカーのロードバイクと同様に安定して走行することができました!
フレームの剛性が低いとスピードが出るとフロントフォークにガタガタとビビりが出るのですが、中国メーカーだからといってそんなことはまったくなく、安全に下ることができました。
付属のブレーキの効きはDURA-ACEのリムブレーキくらい
「SUNPEED ASTRO」にはメーカースペックを参照すると「ANV Hydraulic 油圧式ディスクブレーキ」というワイヤー引きの油圧ディスクブレーキが付属しています。
以前所有していたロードバイクでSHIMANOのDURA-ACEリムブレーキを使用していたのですが、これと同じくらいの制動感かなと感じました。
DURA-ACEリムブレーキはリムブレーキなのですが非常に制動力が高いことで有名ですが、リムブレーキと同じ制動力だとディスクブレーキの良さがわからないのでは…と感じるかもしれません。
しかし、SHIMANOの油圧ディスクブレーキも使用したことがありますが、ブレーキレバーを握るとガツンとブレーキがかかるため、急操作となると慣性でそのまま自分自身が飛んでいってしまうのではないかと思うほどです。
対して「ANV Hydraulic 油圧式ディスクブレーキ」は初心者でも扱いやすい制動力なので、むしろおすすめです。
フロント2速xリア9速=18速でも問題ない
これまでもリアは1速多い10速のSHIMANO ULTEGRAまでしか使用したことがないので、そこまで大きな違いは感じませんでした。
もちろんSHIMANOであれば最新のDURA-ACE、ULTEGRA、105であればフロント2速xリア12速なので、見かけの枚数は多くなります。
しかし実際はDURA-ACEでもSORAリアのトップ側(重いギア)は11Tもしくは12T、ロー側(軽いギア)は28T~36Tと変わりません。
ではギアの枚数が多くなると何が違うのかというと、中間のギア枚数が多くなるため、僅かな路面やペースの変化に対応しやすくなっています。
もちろん、ギアの枚数が多いほうがスムーズに漕げるギアが見つかるのですが、レースや峠などでのタイムアタックでもしない限りは特に困らないと感じました。
路面に対してちょうどいいギアが見つからないときは、ケイデンス(クランクの回転数)を高めに漕ぐ練習だと思っています。
「SUNPEED ASTRO」の購入方法
改めての紹介になりますが、「SUNPEED ASTRO」は日本国内の大手の通販サイトYahoo!ショッピングでの購入が可能です!
いつも使用しているショッピングアカウントで購入可能なのは安心感がありますよね。
【まとめ】2024年モデル「SUNPEED ASTRO」は買い!
いかがでしたでしょうか?
私としても初めての中国メーカーのロードバイクを購入するにあたって、不良品をつかまされないか心配ではありましたが、それは杞憂でした。
到着したASTROを見たらほんとにきれいな溶接、塗装が施されていて、メジャーメーカーの同価格帯のロードバイクと比べても格段に高い満足度です!
ただし、自分自身での組み立て調整が必要になりますので、知識は必要になりますが、YouTubeやウェブ記事などで調整方法は調べられますし、工具もプラスドライバーや六角レンチで基本的な調整は行えます。
それでも心配なら、大手自転車チェーン店なら工賃はかかりますが、初期調整を行ってもらえるところも増えてきましたし、なんならその後の調整も初期調整を行ったお店にお願いしやすくなります。
またホイールの振れ取りは専用の道具も必要ですし、いずれにせよ、自転車店で調整してもらったほうが安心だとは思います。
ここまで2024年モデル「SUNPEED ASTRO」の実購入レビューを書いていきましたが、メリット・デメリットをプラスマイナスしても、買いだと思います!
購入を検討しているのであれば、ロードバイクとしては安価ですので、まずは購入を踏み切ってこの楽しさを味わっていただければと思います。
開封&実車プレビュー
さてここからはレビューよりも気になる人も多いと思いますが、開封時に行った写真撮影をもとに、実車プレビューを行っていきます!
梱包状態
本体
長さ1.5mほど、高さ1mほどのかなり大きなダンボールに入って送られてきます。
今回私は近くの運送会社の営業所まで引き取りに行きましたが、少なくともミニバンサイズで後部座席がフラットになる車でないと乗せるのは難しそうです。
段ボールはしっかりと金属の留め具で留められています。
私は自転車店での開封の経験があるので、そのままフタを引っ張って開けましたが、かなりの力が必要なので、可能であればペンチなどで留め具を抜いてから開けたほうが安全です。
箱の中から取り出した状態。いわゆる通常なら自転車販売店へ届いた時の「7分組」という状態で届きます。
前輪とハンドルが取り外された状態で、ここから組み立て・調整を行っていきます。
梱包を解いている途中で、前輪側のブレーキキャリパーにオレンジのプラスチックパーツが挟まっています。
これはホイールを外した状態で保管する場合や、輪行をする時にブレーキキャリパーに挟めておくスペーサーとなりますので、捨てないで保存しておきましょう。
小物
大きな段ボールの底面付近に小さい段ボール箱が入っています。
この中にサドル・ペダル・シートポスト・反射板などが入っています。
一応、説明書もありますが、中国語なのでおおよその方は読めないと思います。
シートポストは円形の27.2mmx350mm。
シートポストにOリングが付属していましたがちょっと使い道がわかりませんでした…。
おそらく、シートポストが適正位置からずり下がらないようにするためのストッパーだと思われます。
車体
開梱しました!
塗装や溶接がめちゃくちゃきれいで低価格ですが、所有欲が満たされます。
ハンドル・ヘッドチューブ・フロントフォーク付近
ハンドル部分からステム下にワイヤーが入っていき、各パーツへ接続されます。
ワイヤー引きの油圧ブレーキキャリパーが付属しています。
トップチューブ
シートチューブ
ボトムブラケット(BB)付近
ダウンチューブ内を通ったワイヤー類は一度BB手前で露出し、フロントディレイラーには露出したまま接続、リアブレーキキャリパーとリアディレイラーにはまたチェーンステー内を通って接続されています。
また、クランク・BBはSHIMANO製品外ですが、SHIMANO互換性品となっているようで、SHIMANOのクランク締め付け工具も使用できます。
シートステー
シートステーの終端部分にはキャリアやフェンダー取付用のダボ穴が2つ空いています。
私は使用しないので、ホームセンターでイモネジを購入し、埋めてしまいました。
チェーンステー
ホイール・タイヤ
ホイールはいわゆる鉄下駄ホイールで低価格帯で使用されている重量があるホイールですで、リムのロゴはシールとなっています。
ただ、タイヤは「Continental ULTRA SPORT3」というエントリークラスからは一つ上のグレードのタイヤが付属していますので、これを履き潰してから上位モデルのタイヤに交換すれば問題ないでしょう。